A Taxing Woman’s Return (1988) : マルサの女2

マルサ(国税局査察部)の地上げ屋や宗教法人に対する戦いを描く。脚本・監督は同作の伊丹十三、撮影は前田米造がそれぞれ担当。。前年の1987年に公開され大ヒットとなった『マルサの女』の第二弾。

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A Taxing Woman’s Return (1988) / マルサの女2のあらすじ

地上げ屋同士の熾烈な攻防戦が吹き荒れる、バブル期の東京。オフィスビルの建設ラッシュを機に、政治家・建設業者・商社・銀行が結託して巨額の利益を上げんと欲望を燃え上がらせていた。

そんな中、大物政治家の漆原(中村竹弥)から地上げを指示された代議士猿渡(小松方正)は、「天の道教団」の管長・鬼沢()を手配する。鬼沢は宗教を隠れ蓑に風俗業など数々のビジネスを展開し、さらにヤクザを操り地上げの嵐を吹き荒らしていた。しかもそれらの商売による所得は秘密裏に宗教法人の収入に置き換えることで課税を免れていた。

「宗教活動以外での所得は課税対象となる」という税法を盾に、やり手査察官・板倉亮子(宮本信子)を始めとする国税局査察部・通称マルサは、鬼沢の内偵調査を行う。亮子は大蔵省のエリート官僚・三島(益岡徹)を引きつれ、鬼沢の身辺調査に入るが、教団信者やヤクザ達の妨害に遭い、調査は難航。ようやく脱税のシッポを掴んだマルサは強制調査に着手し、鬼沢の取調べが行われるが、鬼沢は頑として金のルートを明かさず、むしろ居直って地上げの正当性を主張する。

査察部は「天の道教団」から押収した証拠から裏金の全容をつかみつつあった。そんな中、鬼沢の手下が射殺される。査察部は脱税を隠蔽するために鬼沢が口を封じたのではないかと疑うが、鬼沢本人が尋問の真っ最中に狙撃されるという事件が発生。鬼沢も「トカゲの尻尾」、つまり使い捨てられる駒でしかなかったのだ。腹心の猫田も口封じで殺されるが、危うく難を逃れた鬼沢は巨額の財産を隠していた自分の墓に愛人とともに逃げ込んで高笑いする。

一方、鬼沢が地上げした土地では、ビルの着工を前に地鎮祭が行われる。鬼沢を背後で操り自らは手を汚すことなく利益を得た大臣・代議士・企業幹部は、地上げ屋らが死んでいることにも意に介さず、早期に建設地が確保されてそれぞれが利益を得られたことを喜びつつ談笑する。その姿を少数の同僚と伴にフェンス越しに見つめていた亮子がやりきれなさに唇を噛んだところで、利権にたかる者たちの笑い声とともに映画は終わる。

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